「等々力陸上競技場の全面改修を推進する会」が、川崎市議会に提出した『請願第48号等々力陸上競技場の全面改修及びその周囲の施設・環境の速やかな改善に関する請願』の審査が平成21年3月12日川崎市議会・環境委員会で全会一致採択され、19日の本会議でも全会一致採択されたことは、既にお知らせしましたが、ここに環境委員会の審査経過が明らかになりましたのでその要旨を報告します。
まず、環境委員会では請願第48号が読み上げられ、署名は12日現在181,075人に達したことが報告され審査に入りました。以下は、環境委員会の委員(議員)の質疑と理事者(環境局局長、担当部長、課長、並びに総合企画局都市経営担当主幹)の答弁の主な内容です。
はじめに理事者から、等々力陸上競技場の全体面積は35,048平方メートル、収容観客数は2万5千人であり、第1種公認陸上競技場であること。障害者や高齢者が利用できるようエレベーターを設置し、また環境に配慮した雨水貯留槽を整備していること。等々力陸上競技場の供用開始時期については、昭和40年度に陸上競技場のトラック及びフィールドが整備され、翌年度にメインスタンド及び外周芝生スタンドが完成し、昭和42年度から供用開始していること。平成20年10月に、学識経験者をはじめとしたスポーツ・産業関係者などからなる 等々力緑地再編整備検討委員会を立ち上げ、陸上競技場の改修の方向性も含め緑地全体の再編整備を検討していること、などについて説明を受け、質疑に入りました。
委員会では委員から、等々力陸上競技場の施設整備計画について質疑があり、理事者から、施設の老朽化が進んでいるが、全面改修については、課題等が多いことから対応できていない。しかし、安全対策については、逐次、整備を行い対応している、との答弁がありました。
次に委員から、スポーツ観戦中の災害時の対応について質疑があり、理事者から、Jリーグの試合や大会等を開催している時は、主催者がボランティアや関係者等と協力しながら避難誘導等の態勢をとり、しっかりと対応していただいている、との答弁がありました。
次に委員から、スタンドの耐震性について質疑があり、理事者から、等々力陸上競技場は、昭和56年に改正された建築基準法の新耐震基準に対応した改修が行われている、との答弁がありました。
次に委員から、陸上競技場のバリアフリー化について質疑があり、理事者から、改修にあたっては、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の推進に関する法律に対応した施設改修を行っていく、との答弁がありました。
次に委員から、等々力緑地の外周部分の改修について質疑があり、理事者から、等々力緑地再編整備検討委員会では、最寄駅から等々力緑地までの動線などの外周をも含めた等々力緑地の課題を踏まえ、検討していくことになっている、との答弁がありました。
次に委員から、第2種公認陸上競技場から第1種公認陸上競技場に変更になった経緯について質疑があり、理事者から、日本陸上競技選手権大会を開催するため、平成19年度に改修工事を行い、第1種公認陸上競技場として整備したものである、との答弁がありました。そこで委員から、日本陸上競技選手権大会開催による効果について質疑があり、理事者から、第1種公認陸上競技場として整備したことにより、スーパー陸上等の競技が可能となり、さまざまな大会を誘致できるようになるとともに、質の高い競技が観戦できるようになった。また、サブ陸上競技場を整備しており、現在はサブ陸上競技場を多くの市民が利用している、との答弁がありました。
次に委員から、等々力陸上競技場の改修方法について質疑があり、理事者から、昭和60年から61年にかけてメインスタンドの部分改修をしたが、現在も屋根がなく、屋根を設置するにはスタンドを改修する必要があるため、今後、等々力緑地再編整備検討委員会で全面改修も視野に入れた改修方法を検討していただく、との答弁がありました。そこで委員から、本市のスポーツ振興という意思を持って全面改修をしてもらいたい、との意見がありました。
次に委員から、スポーツのまちづくりについて質疑があり、理事者から、スポーツによるまちづくりは行政だけでなく民間と一緒に行っていくものと考えている、との答弁がありました。
次に委員から、等々力緑地再編整備検討委員会の構成について質疑があり、理事者から、学識経験者、スポーツ関係者、地域代表、市民代表など21名で構成されており、学識経験者は、造園、都市計画、まちづくりなどの各専門分野からそれぞれ出席していただいている、との答弁がありました。
次に委員から、等々力陸上競技場のこれまでの整備費の総額について質疑があり、理事者から、昭和40年から今年度までに約140億円かかっている。今後の改修費用については、等々力緑地再編整備検討委員会で整備の方向性が決まった後に概算の算出を行う、との答弁がありました。そこで委員から、市民には整備時期が明確でないことによる、わだかまりもあると思うので、市も請願の趣旨を重く受けとめて、他都市の事例を参考にするなど主体的に整備費等の検討を行なってほしい、との要望がありました。
次に委員から、サッカー専用グラウンドの検討について質疑があり、理事者から、サッカー場については、現在、大半の自治体は陸上競技場のトラック内を利用している。サッカー専用グラウンドの整備については、本市では、土地の確保や等々力緑地内の他施設との関係から、現状では難しいものである、との答弁がありました。そこで委員から、サッカー人口も増えているので、専用グラウンドの整備について検討して欲しい、との要望がありました。
次に委員から、等々力緑地再編整備方針の決定時期について質疑があり、理事者から、平成21年度末に等々力緑地再編整備検討委員会で再編整備 基本計画を策定する予定である、との答弁がありました。
次に委員から、等々力でサッカーをプレーしたいと子供達が夢を持てるように、市としても整備計画を進めて欲しい、との要望がありました。
請願の取り扱いについて協議したところ、委員から市民の思いが伝わってくる請願であり、市としてもしっかりと受けとめて、今後整備を進めて欲しいとのことから、採択とするべきである、との意見がありました。環境委員会では審査の結果、本請願は、全会一致をもって、採択すべきものと決しました。
以上