陸上競技場メインスタンド改築に関する説明会のご報告

2013年4月20日(土)に開催されました「陸上競技場メインスタンド改築に関する説明会」についてご報告いたします。

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「陸上競技場メインスタンド改築に関する説明会」
2013年4月20日(土) 15:30~16:30
於・等々力陸上競技場サイドスタンド1階(ホーム側) ウォーミングアップスペース

[主催]
川崎市

[出席者]
・川崎市建設緑政局等々力緑地再編整備室 室長 濱見 健 氏
・川崎市建設緑政局等々力緑地再編整備室 担当係長 小藪 隆文 氏
・川崎市建設緑政局等々力緑地再編整備室 担当係長 藤井 義章 氏
・川崎市まちづくり局施設整備部大規模施設建設担当 担当課長 稲本 一朗 氏
・川崎市まちづくり局施設整備部大規模施設建設担当 塚本 猛 氏
・大成・飛島・小川・沼田・日本設計共同企業体 大成建設株式会社 設計本部建築Ⅱ群 川野 久雄 氏
・大成建設株式会社 作業所長 原島 功明 氏
・株式会社日本設計 建築設計群 主管 岩村 雅人 氏

[主な内容]
(1)観戦環境等について
(2)工事スケジュールについて
(3)その他

[当日資料]
等々力陸上競技場メインスタンド改築に関する説明会

[説明会内容]

川崎市

今回の説明会は、メインスタンドの観戦環境、工事の日程の説明をした後、質疑応答を行います。

それでは説明に入ります。まず今回はメインスタンドを新しく建てていくということで、現在、設計、法定手続き等を進めているところです。

本日、イメージ動画をいくつか持ってきているので、ご覧ください。これが周りからの図で、今回建て替えるのがこちらのメインスタンドです。

正面の広場は市の内部で検討しています。動画を見ていただきながらイメージを掴んでいただき、パワーポイントでポイント等を説明させていただければと思います。競技場に入ってくる見え方がこちらでご覧いただけると思います。

広場から階段を上りまして、2階のコンコースのところが皆さまの主導線として計画されています。実際の広場からデッキが約6メートルという高さです。これは多摩川が決壊した際に水浸しになるエリアなのでそれを配慮し、この高さとなっています。上ってくると見えるこのコンコースをいかに開放的にするかを検討しています。今回、サイドスタンドなどで席から見切れが発生するという課題があるので、設計はそれを十分配慮しまして、計画しています。後程、断面図で説明させていただきます。これが上段スタンドからの見え方になります。

競技場の最上階にスカイテラスという100~200人程度入れるラウンジを用意しており、そこから競技場を見渡すとこのような形で見えます。また、前を見るとガラス張りで、後ろ側も遠い方まで見られるようになっています。

これからポイントを説明させていただきます。

今ここで書かれているのは市で検討している広場のイメージです。赤い枠のところが建て替えのイメージです。その前に公園の景観に配したブロック等で整備していきます。また、釣り池や草原等も改善等していきたいと思います。また、広い広場、スペースを設けることによって、災害時には活動拠点になるような環境もできると思います。また、桜並木につきましては、残してほしいという話もありますが、工事の過程において、伐採せざるを得ないということもあります。そのため、枝を100本程確保し、茨城で接ぎ木という手法を使って等々力の桜のDNAを残していきます。桜に関しましては、そのような形で残していく考えです。

続いて、今回はコンコースがメインの導線ということで、コンコースを中心にいろんなところに導線を展開するというふうに考えています。例えば、今回は看板というよりは、青色や黄緑色などの壁面のカラーリングによってうまく誘導できないか、というのが、設計上の工夫です。青の壁面を渡れば2階のスタンドに行けるといった、色による誰にでもわかる誘導を設計上考えています。

(図で示しながら)実際、この緑色の壁を歩いて行った先がトイレの正面にある色で、ここがトイレだとわかるようになっているという計画です。実際に中を見てみると、男子トイレは、入ったら全てが見える。ブースが空いているかどうかわからないという事に対しては、プレートを付けるといった改善策もありますが、今回はブースに色を付けて、開けると色がついていて、閉まると真っ白になるといった形で、デザイン的な工夫で開いているか閉めているかがわかる工夫をしています。ハーフタイム等の混んでいる時は、トイレだけの人や身だしなみを整える人など、人により目的があるので、まずは導線を整理するという意味で、鏡を無くした特別手洗いというのを設けることで分業して、滞留しないような導線を考えています。

今度はトイレから上がってスタンドに行きますと、最前列はピッチに近くなっています。また、2階の上層スタンドが前にせり出しています。このように構造上工夫できるところは最大に工夫して、立体的なスタジアムになるように設計しています。

また、コンコース上に車イス席がありますが、現在ですと、車イス席の前で人が立つと、車イスの方が見えなくなるという課題があるので、車イス席の前はかなり掘り下げる等、車イス席からもピッチが見える断面構成にしています。

ここまで観戦環境に関しての話でしたが、このような施設は周辺への配慮もしなければなりません。音などは屋根に反響しピッチにかえってくるといった、周りに漏れにくい構造にしています。一回テストすると、メインスタンド完成時はそんなに変わらないが、サイドスタンドが完成すると、建物的に閉じていくので、騒音はかなり抑えられる、と確認できています。

あと、光についても、屋根に照明をつけて、直接グランドを照らしますので、周辺に対して、光が漏れにくい構造になっています。街灯も、太陽光発電等の省エネ技術を導入していきます。

防災につきましても、耐震性の確保や水害に備えまして、いくつかの改善点を計画しています。

ただの競技場というだけではなく、公共施設として市民の皆様にいろいろな活動に利用できるような計画をしています。

工事工程に関して。現在、解体を始めていまして、4、5、6月で解体していきます。

既存のメインスタンドを(図で示しながら)こういった機械で解体していきます。これだけの規模なので、機械も大きいものを使います。解体後は夏から年内いっぱいにかけて、建物を建てていきます。

最後の工程になってくると屋根を上に乗っける工事になってくるので、国内にも数少ない大型クレーンを使用します。

今回の工事は大規模な工事になるので、他の施設では見られない工事ということもあり、試合の際に改築工事PRというのを出させていただき、その時々の機械の話や設計の話をPRする場を設けさせていただきます。機械や工事過程の解説や、これを見ることでファンの方が、我々職員対して気になる事等を話してくださればと思います。

また、工事現場の周りに壁を設けています。これは安全上これらを設けないと危険ということで設けています。これが競技場の周りにも廻っています。今は殺風景ですが今後は、お化粧なんかをしていきたいと思っています。

例えば、近隣の学校や幼稚園と連携して、作品を掲示したり等、ここは大きなキャンパスとして活用できると思います。今の段階では、デザインやプログラムや活用等はこの程度しかお見せできませんが、順次展開したいと考えています。試合に見に来た際の印象として、工事の雑然さというのをなるべく抑えたいということで、こういった事をしていきたいと思います。

説明は以上です。

皆さまから質問を伺いたいと思います。

(質問者)

試合が行われる際には携帯等の電波通信が混みあうのでWi-Fi等の設置により電波状況の改善もしていただければと思う。今では試合中、まったく通信ができないような状態なので。

川崎市

Wi-Fiについては明確な答えができませんが、前回、前々回にも携帯が通じなくなるという話がありまして、それについては各携帯会社さんに連絡をとりました。実際にそのような話がある事は各社承りましたという事で、各社独自に調査を行った後、各携帯会社さんの基準で改善させていただくという事です。唯一ひとつだけ、イベント時の支局のようなものを設けるといった事を前向きに考えるという回答がありましたが、それ以外は会社の基準の中で、独自の調査で対応するという事です。我々も、新しくなる競技場にアンテナのようなものをつけるという事は対応可能と話しましたが、携帯会社さんの範囲で対応するという答えでした。

Wi-Fiについては今後の宿題とさせていただきます。

(質問者)

2点質問します。1点目は、スタジアムでの居住(観戦)環境に関して。メインスタンドの席が、今では横、足元等狭く感じる。その点の改善はあるか。

もう1点は、映像装置の計画はあるか。

川崎市

席幅に関しましては、Jリーグの基準に加え、幅、奥行き等改善し、かつ見切れない事を考慮しています。

また、市の計画としてはメインスタンドの建て替えにあわせて、アウェイ側に映像装置を付ける予定があります。今までホーム側にあるので、ホームの方が見えないのを配慮する形で、イメージでは今のアウェイ側の得点掲示板の辺りになると思います。

(質問者)

2点質問。既存のメインスタンドよりも規模が大きくなるという事で、施設全体の重さが重くなると想像する。それにより、河川に近いので堆積力が変わっている場もあると思うので、そこらの基礎の調査等について説明いただきたい。

2つ目は、今のスタンドの階段は上り下りがつらいが、新しいスタジアムはその改善がされるか。

川崎市

もともとここは河川敷という事で、砂の採掘所であったと聞いています。また、ここは水のあるエリアなので、治水壁等で地域に配慮して計画を立てています。

階段につきましても、メインスタンドなどは広場からの入り口にもなるので、なるべく緩やかな階段の設計をしています。

(質問者)

道路について確認したいのだが、住民にとっての生活空間という意味合いでの計画を教えていただきたい。

川崎市

もともと道路につきましては、公園の中という事で、3月から仮設園路をメインスタンドと野球場の工事が終わるまでの暫定的な生活道路としています。その後は、将来的に、釣り池から野球場の北側を通るような園路を作り、そこを地元の方の生活道路として機能させていきたいと考えています。

(図で示しながら)野球場が少しずれます。こちらのスペースを通って、噴水の横辺りを通る園路を作って、生活機能を持った道を作りたいと考えています。

(質問者)

野球場がずれるという話が出たが、メインスタンドと陸上競技場のその後の姿の説明は受けたが、等々力全体のスタンド以外のところの計画説明を聞きたい。

川崎市

今、公表している図面のイメージです。

野球場と陸上競技場の間に、まとまりのある広場を計画しています。これは競技場改築に伴い、安心で安全な観戦環境の一環としてのたまり場が欲しいとの要望があったのに加え、公園として、大規模なイベントの対応も可能になります。

また、防災の避難場所であり、おそらく今後の警察、消防の活動拠点となるのも踏まえ、しっかりした機能を作っていこうと考えています。

また、野球場がずれた後に、池等、どちらかというと、ここは緑のある広場として作っていこうと考えています。

また、正面広場につきましては、もともと広場に対して信号等の交通事情が好ましくないとの事があるので、一方通行を寄せて双方向の道路とする計画があります。

あと、試合の際の臨時バスの混雑があるので、ここも道路を再編する事を考えています。(図で示しながら)こちら側に臨時バスのスペースを考えています。そうすることで、道が直接的になり、臨時バスの利便性も改善することになります。

このような、ざっくりしたイメージから今後詳細を詰めていく上で、先ほど、パワーポイントで示したように、広場の部分で、3万人以上のお客さんが来るとして、景観に配慮した構想にしていくことが必要かと考えています。実際、競技場前の広場は、他の競技場ですと、コンクリートで何も無いところが多いのですが、そうではなく、木を植えるなど緑を出して等々力らしさを見せていきたいと考えています。先ほど述べた、茨城で育てた苗を将来的にはここに戻していければと思います。

また、現在、芝生等で弁当を食べるスペースが無いと言われているので、芝生や草原を敷く事でそのような空間を作れればと考えています。まだ、一枚の図面として示す事ができないのが申し訳ないのですが、緑を活用した特徴的なスタジアムになると思っています。

(質問者)

桜の木はどの辺りに戻って来るか。

また、メインスタンドの導線の改善をするとあったが、サイドスタンド、バックスタンドや、7番ゲートからの入り口の導線は変わらないのか。

川崎市

選手バスが通る道は確保するので、その辺りの桜は残せると思います。

また、中については今後また詳細を詰めていきますが、将来的に(図で示しながら)ここが一番の使用動線になってくると思うのでこの辺りを詰めていきたいと思っています。

(質問者)

芝の養成、風の流れ、水はけの配慮に関しての説明を聞きたい。

川崎市

芝の管理で一番重要なのは通風です。一方で、通風を良くし過ぎてしまうと、スタジアムでの観戦の際に風により、居住性が悪くなります。それを解消するために、今回、両側スタンドの段の部分に、スリットを設けています。これにより、風を穏やかにスタジアムの中に取り込んでいくといった事を考えています。さらに将来計画では、4ヶ所のマラソンゲートを通常の使っていない時はそこを開放し風を入れ、風が強い際はそこを閉じるようにと考えています。これによって、芝に対しての通風を管理します。

また、芝については日照も重要であり、これに対しては屋根の形状として、大屋根の部分の先端をガラスにすること、また、南側になるにつれてガラスの部分を大きくする事で、日照を確保していきたいと考えています。

また、グランドについては、それ自体に対しての計画は無いのですが、勾配を取るなどして、雨水等がグランドに溜まらないようにしていこうと考えています。

等々力の芝はとてもきれいなので、それを大事に保っていこうと考えています。

(質問者)

アクセスについて、最寄り駅から等々力競技場までの道のりが、非常にわかりにくく、看板なども目につきにくい。その点の改善はあるか。

川崎市

今、中原区役所の方で、青い看板をいくつか出しています。今年度から、この看板をお客さんの増員を見込んで増やしていこうと考えています。ただ、武蔵中原駅からはルートが限られていますが、新丸子駅や武蔵小杉駅からは、ひとつのルートに絞ると必ず、民家の通りを通ってしまう事になるので、これらの駅では、この道を使ってくださいと示すのは止めようと考えています。なので、これらの駅の近くには、大体の、競技場、駅の方向を示すようなものを設置しようと考えています。また、その数も増やそうと考えています。また、住民の方から、民家の並ぶ細い道を使用する際などに対してのクレームもあるので、自治体の方と連携をとって、改善したいと考えています。

(質問者)

提案として、寄付に対して、その協力をした人が、建築の状態の形のひとつに残るような方法で寄付を募ってはどうか。例えば、神社に寄付を収めた人の名前が書かれているような形。

川崎市

様々な方法を考えていく中で、それもひとつのおもしろいアイディアとして参考にさせてもらいます。ありがとうございます。

(質問者)

メインスタンドの工事をしていき、今後も、その他の工事を続けていくという事だが、未だに等々力の全体的な完成像が見えてこないように感じる。どうすればより早く計画を進めていけるのか、その点を聞きたい。

川崎市

我々が今言えることは、メインスタンドの第一期が終わりましたら、今度は野球場の方にいって、バックスタンドの方にいくと考えています。そういった点で、やはり10年目以降の着工になってしまいますが、メインスタンドの工事をしながら、試合を運営していくといった中で、どうやったらより早く、安全にできるのかという事を検討しながらやっていきたいと考えています。その点、皆様にご理解とご協力をしていただきたいと思います。また、今回のメインスタンドの第一期の工事を、今後の工事にも活かしていきたいと考えています。

以上