等々力陸上競技場第2期整備に関する説明会のご報告

2017年3月5日(日)に開催されました「等々力陸上競技場第2期整備に関する説明会」についてご報告いたします。

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「等々力陸上競技場第2期整備に関する説明会」

日時 :2017年3月5日(日)午前8:15〜10:00
会場 :等々力陸上競技場メインスタンド6階 スカイテラス
参加 :107名

[主催]
川崎市

[登壇者]
・川崎市建設緑政局 等々力緑地再編整備室 室長 萩原 茂 氏
・川崎市建設緑政局 等々力緑地再編整備室 事業推進担当課長 佐藤 力 氏

[主な内容]
(1)等々力陸上競技場第2期整備「整備の基本的な考え方」について(資料説明)
(2)質疑応答

[当日資料]
等々力陸上競技場第2期整備「整備の基本的な考え方」について
※PDFファイルが開きます

[質疑内容]
1)市債の償還が課題とのことだったが、どのような状況か。
A)第2期整備のサイドバックスタンドは平成29年で30億くらい市債の残高がある。改修の場合、増改築なんですけど、予定通りの期間で市債の償還を進められる。全面的な改築になると、一旦市債を全額償還する必要がある。

2)現スタンドは老朽化が進み、安全性はどうなのか。改修で2階席を残すと考えた場合、2階については大きな問題がないと考えているのか。
A)躯体は問題ないと考えている。資産価値からすると45年が一般的。学校などもそうだが、全面的な改修が難しいので増改築をやっている。有効に活用しながら新たに増築するということを検討したのが改修案。

3)増築した場合、既存の部分と新しい部分が混在する。20年後に既存部分の更新があるのか。
A)仰る通り、そのあたりもコストに含め検討している。

4)改修、改築のイメージ図だと、現状よりスタンドがフィールドから離れているように見える。陸上の9レーン化と関係しているのか。水壕は外にあるのか。
A)現在の陸上トラック幅は現状は1,25m。規定が変わり幅1,22mになるが、9レーン化となれば約1mは広くなる。水壕については内側にいれるという議論はありうる。具体的なことはこれから検討していく。断面図は概算工事費やおおよその工期をはじくために、一般的な形で断面図を作った。設計段階になったらどこから何mかなど詳細な数字が出てくる。メインスタンドはピッチまで最後列から51m。前傾のスタンドにするために柱を前にするよう設計した。第2期についても前傾を検討する。具体的には今後検討を進めていきたい。
A)あくまでも一般的な話をするための断面図である。全面改築の方がスタンド下のスペースが有効活用できるなど、そういう検討のための図面である。

5)個人的には改修と改築だと改築の方がいいと思っている。身長が181cmくらいある。自分の後ろにいる人は見るのがしんどいんだろうなと思うところがある。普段サポーターとして、改修の場合、Gゾーンで見たい人が増えてきたときにそこで見たい人がみれないことも。傾斜があることで、今のホームA自由の人たちが多く見えるようにしてほしい。

6)現在2期工事をどのような方向をとるかということで改修になるか改築となるか。今まで、コンコースを周回できる仕組みを考えておられたと思うが、メインが2階、バックが3階となった場合、具体的な運用はどのようなものを考えているか。ビックフラッグに関して、改修もしくは改築した場合、最上段にフェンスがたてられることを危惧している。バックスタンドが一体化した自由席というものをフロンターレやJリーグと話をしているか。
A)コンコースの回遊性については、障がい者のスポーツ団体からも車椅子で周回できるようにしてほしいという意見がある。階層が変わった場合にどうなるかは課題として認識し検討していく。現時点では課題を詰めている段階。ビッグフラッグについても検討を進めていく。

7)誰もが使用できる施設、と書いてあるが、改修だと今あるものをそのまま使うと思う。等々力のプールがなくなって、改修だと地下にプールが設置できないと思うし、改築だと日産のように地下にプールができたりすると思う。改修だと家族連れの方が楽しめる施設ができないような気がするが。
A)構造上、プールの設置は浄水装置などの付帯施設があり、スペース的に改修においては難しく、改築では可能であると考えている。市全体としてレジャープール、競泳用プールなどのあり方を検討している中で、プールの課題は検討していきたい。

8)2期整備自体がいつから始まるのか。どういう手順で整備をするのか。
A)いつからというのは整備するということが決まった後、市の総合計画と摺りあわせながらやっていく。また工事にあたっては、工事を分割するなど、施設を使用しながら施工を行いたいと考えている。市全体の計画なので、29年度中に整備計画を策定し、30年以降に設計などの取組をすすめることになる予定。
Q)ぜひ早い着工をお願いしたい

9)リノベーションの場合、現在の躯体に問題ないと判断されているようだが、室内走路や1階の雨水の進入、雨漏りの状況をみていると本当にそうなのかと不安がある。20数年前の工事がはたして設計、仕様書通りにおこわなれているのかも不安。入札工
事の場合、学校でも30年、40年たって仕様書通りに行われていないということが判明することが多々あるので、きちんと見直していただきたい。本当は改築がうれしいが、予算の問題などでリノベーションになった場合、今ある躯体がたえられるのか、精査していただきたい。新しい設計になった場合も、市の専門的な知識を持った方が定期的に工事チェックをしていただきたい。私たちの税金なので、きちんとやっていただきたい。地域の方の賑わいを創出するには、なんらかの魅力あるものが必要だと思う。どんな賑わいを想像しているのか。たとえば、隣の小学校の生徒が日常的に使えるようにするとか、先ほどのプールの話もありますし、どのような考えがあるのか、聞かせてほしい。
A)躯体や雨水の状況などについて、2、3年前くらいから建築部門で調査している。2階の屋根のさび塗装なども実施。今後も十分診断しながら補修工事をやっていく。入札後に問題あることについては、常に改善、改革の意識を持ってやっていく。賑わいについては、当然箱だけつくればいいという話ではないので、どういう賑わいがいいのか、ご提案いただいた小学校での活用なども考えていきたい。地域の方に貸出して、室内走路で何かできるとかということも考えていきたい。営業上難しいかもしれないが、気軽にお茶を飲んだりできるようにできればと思っている。

10)コンコースが狭いので広げることになると思うが、北側は池が迫っているので、外周の周回が困難になるかと思うが、どのように考えているか。
A)仰る通りで、通路は池の方に張りだすようなイメージでいる。

11)改修だと1階席が狭まっていて、現状1階席で見たい人が見られない。2階席は跳ねると危険と聞いている。改修のイメージだと一体感のある応援が難しい気がするが、2階席を跳ねられるなどすることは可能か。2階席は現状のままだと虫が出たり、汚れていたり、老朽化が進んでいると思う。
A)1階席で飛び跳ねたりできるゾーンを広くすることが可能か検討を進めて行く。2階席については、フロンターレからも十分に考えてほしいとご指摘いただいている。ゴキブリが出たりする状況については管理部門と対応を検討する。椅子はメインスタンドで使っているような跳ね上げ式の個席に変える予定。

12)規模の話をしたい。今、35,000人規模となっているが、2008年に第1基の整備がスタートしたときから、スタジアムの基準等を考えて35,000人がいいのではないかと話で進んできたと思うが、今、JFAやFIFAのスタジアム基準が整備されてきていて、35,000人規模だとACLの決勝ができないという状況になっている。等々力でACLの決勝をやる場合、40,000人が必要と謳われている。個人的な意見になるが、せっかく35,000人規模の改築をしていただくのであれば、40,000人を目指した方がいいのではないかと思っている。改修にしろ改築にしろ、整備すると50年近くは新しく改築等できないと思う。川崎の人たちが夢と希望のあるスタジアムにするためにも、ACLの決勝ができるくらいの規模のスタジアムにするべきではないかと思っているが。
A)35,000人の数字の基準についてはJリーグの検査要項2020年案に基づいている。ご意見を参考にし事業評価の委員会に出させていただく。

13)ゴール裏が遠いので、2期整備では工夫してほしい。2期整備までの間に、仮設でも席・店舗・トイレなどの増設の対応ができないか。2期整備が始まるまでの間に上層と下層スタンドを繋ぐ幅4から5mの通路を作っていただいて、コンコースの混雑緩和になる
と思う。
A)ゴール裏の部分は課題として取り組んでいる。2期整備までの仮設対応は財政的にも厳しいかなと思う。

14)資料だけ見ると、費用がかからないほうがいいんじゃないか、工期が短い方がいいんじゃないかと思えてしまう。このような評価軸だけでなく、プラスアルファの部分を盛り込んでいけたらありがたいなと思う。
A)今後の検討の中でその辺も含めて整理していきたいと思う。

15)クラブスタッフの井川さんからもあったように、ACL決勝戦もあるが、当初改修、改築を望んだときに市民の人々に喜んでもらえるスタジアムを目指していて、川崎市の市民が150万人に増えていたり、フロンターレから日本代表の選手が定期的に選出されるようになったりしているので、A代表の試合を川崎市のサッカー協会が誘致できるような環境にするためにも40,000人規模というのは大事なのではないかと考えている。口頭レベルではあるが、陸上協会の方から9レーン化する必要はないと聞いている。9レーン化というのはどこから話がきているのか。税金を使ってやっていただいているので、サッカーサポーターだけでなく、市民に愛される、誇りに思えるようなスタジアム。プールにきていた人たちが悲しんだ思いをしていることもあると思うので、改築のポイ
ントとして検討していくべきではないか。今の資料だと、工期が短くて、今あるものを使える、という改修プランがいいと見えて
しまう。しっかり仮設スタンドを建てて今のメインスタンドができたので、工期が長いから難しいとか、費用が安いからとかではなくて、これからずっと先使っていくものなので、未来の市民の人たちの誇りに思えるようなスタジアムづくりということを念頭に置いていってほしい。
A)先ほどもあった40,000人規模については事業評価委員会に諮っていきたいと思う。9レーン化については陸上競技の団体から要望いただいている。事情も変化しているという話も入ってきているので、陸上競技の団体と協議していく。

16)今の等々力のいいところは1階席の最前列がピッチレベルにあり、サッカー観戦者であれば子どもたちが前に行って選手と触れ合えるレベルにある、ということ。陸上競技でも選手と触れ合えると思う。設計段階であるのでまだこまかく詰めていないかと思うが、ぜひポイントとして入れていただきたいと思う。

17)施設を使用せず一気に工事をした場合、工期は短縮されるのか
A)それほど短縮はできない

18)誰もが利用できる施設というところで、託児所や高齢者施設など、民間活力についてはどう考えているか。
A)民間活力の導入はまさに考えているところ。民間で収益を上げながらできればと考えている。

19)雨漏りなど、かなり劣化しているのを感じるので、改修で大丈夫なのか安全性に不安はある。陸上競技場の国際大会もあるので、皆さんが使うにふさわしいスタジアムにしてほしい。メインスタンドのバラエティシートなどもバックスタンドに。いろんな人が楽しめるスタジアムになればと思う。

20)2階席で応援したり飛び跳ねたい、観戦するより応援したいという人たちも多い。座ってみるより跳ねてみるのが当たり前と持っている人も多い。芝生の整備においては、陸上競技場の風よけについては、芝生の整備において風が入らなくて芝生の養生に影響することもある。

21)改築でなくてはできないこともあると思うので、改築をして40,000人が使えるような施設ができればと思う。改修ではなく改築でたくさんの人が利用できるようにしていただきたい。

22)せっかくメインスタンドを新しくしたので、メインスタンドから一体感ある雰囲気になるようにしていただきたい。

23)メインスタンドの時は仮設スタンドを作ったが、今回も作ることは可能か。
A)仮設スタンドを作らない分割パターンで検討している。

24)増築した場合、既存部分がもう使えないとなった場合、どう直していくのか。
A)既存部分のみ壊して工事をしていく

25)将来的に35,000人から40,000人に増やすことは可能か。また、2階席と1階席のコンコースができる場合、それぞれに売店などのスペースを作ることは可能か。長野パルセイロは別の場所で作って、スタジアムに持ってきて、という工法で1か月か2か月で設置したという事例があった。そのような方法はできないのか。
A)屋根も作ってしまうので、35,000人から40,000人への増築は考えていない。コンコースについては売店は可能であると考えている。(別の場所で作ってという話は)川崎だと道路も狭いし現実的ではないのではないかと思う。

26)可動式の椅子を設置することは考えているか
A)メインスタンドも一部あるが、部屋のあり方による。場所によって考えられるかと思う。

27)40年位大丈夫だという話だが、外壁が落ちたきた事例もあり、喫緊に直さなければいけないところもあると思う。改修だと、今の通路の狭さだと柱があるので、邪魔にならないように改修であっても解決してほしい。改修、改築ともに全体のイメージが見られるようにしてほしい。また、陸上トラックを青にするという話があったが。
A)トラックの色については利用団体と協議しながら進めたいと思っている。また、イメージがわかるような絵についても、考えたいと思う。

28)改修だと広いコンコースがあるように見える。改築だと地下に広いスペースが確保できるように見えるが、それぞれ何かに使うことを想定しているのか。もしあるとすれば、資料にしっかりメリットとして書いていただきたい。資料をみると改修と改築が内容は一緒で、改修の方が工期が短く、費用も安い。単純に比較すれば改修の方がいいと見える。改築することによってスペースが使えるのであればいいと思うがどのように考えているか。
A)陸上やサッカーで使用する諸室などが入ってくる。プールがあるならここに入ってくると考えている。
Q)改修だとそういう施設が確保できないということなんですね。メリットとデメリットをわかるように書いていただきたい。

29)野球場の地盤沈下などは考慮しているか
A)第2期整備では土壌対策の費用などは入っていないので、事業評価が終わったあとに調査を行い、必要に応じて別途予算化が必要になる。

30)席を確保することが重要になると思う。狭いと思うので、肩幅に合わせてなど、座席幅など、考えていただきたい。
A)設計段階で検討する。

以上